加湿器とクリスマスツリー

息子がカゼをひいた。
木曜日ぐらいから咳き込み始めた。
金曜日に医者にいって薬をもらったが咳はやまない。
加湿器があったので注水し稼動させると息子の咳がすこし楽になったような気がした。

いくつかお話をよんであげ、寝付いた息子の顔を見ながらぼんやり加湿器について思い出した。
妻が家に帰ってきて3月20日ぐらいにはもう咳き込み始めていた。
徐序に嚥下することが難しくなってきたためだろうか。
実際には肺に転移したがんも影響していただろう。
ネブライザもきたが時間をあけて使用せねばならない。
加湿器が欲しかった。

しかし、加湿器で本当に効果のあるものを探すと、三菱電機にだけ一万円を超える加湿器が存在した。
のどガードなるしくみがあったのだ。当時この機種にしか存在しなかった。
だが、3月末には加湿器なんぞどこにも売っていない。
まして、この機種は特に花粉症にも効果があったらしくネットでみてもどこにも在庫がない。

義兄が見舞いにやってきて(この時はまだ口がきけた)帰り際に何かいるものはないかというのでこれがどうしても手に入らないとグチをいった。

それから2日後義兄がそれと空気清浄機を送ってくれた。
秋葉原じゅう歩いたそうだ。色はピンクしかなかった。

残念ながら効果のほどがわからないうちに3月26日がやってきた。
そうして4月5日までずっと部屋の隅でスチームをあげ続けてくれた加湿器である。

日曜日にはまだいくぶん咳はでるもののすっかり元気になった息子。
8日はおゆうぎ会で主役の孫悟空をやることになっている。
なのでなんとか外に出ないで静かにさせていたいが、体力が回復するとなかなか難しい。
ゲーム(ラチェット&クランク3)も続けてできないし(相当目が疲れる)、本も読みあきたし、ビデオもあきた。
そこでクリスマスツリーを出した。息子とツリーを飾り始めた。
息:『なんだかいっぱいかざるものあるね』
私:『お母さんが好きでね、いろいろ毎年買い足したんだ』
息:『ふーん、お母さんツリー好きだったの?』
私:『家に電飾をつけたがってねぇ』
息:『でんしょくって?』
私:『ほらお家の外にキラキラ光っているお家あるでしょ。あれさ。』
息:『ツリーはいつかったの?』
私:『君が生まれた年だね』
息:『じゃぁそれまでは?』
私:『え?んーと・・・・あ!』
(間)
私:『これこれ』
息:『これは?』
私:『お母さんお手製のツリーだよ』(画像参照)
息:『おかあさんツリーつくったの?』
私:『そうさ、おかあさんはこういうのをつくるのが好きでねぇ』

息子は熱心に妻がどんなものを作ったり飾ったりしたのか私に聞いた。