びわ

実母が

「ほれこんなのがなったんだよ」

と私に見せる。

「なに?」
「びわだよ」

売っている位の大きさのびわの実が3つついた枝だ。

「もしかして・・・」
「そう、あの時のだよ」

びわの葉を煮出してとやっているとき、苗を買ってきてくれた。
ただ、さすがに面倒を見れないので実家においてもらっていたものだ。

「こんなに大きな実がなってさ」
「実がなる頃には・・・食べる奴はいないってか」

じっと見ていた