始業式から

始業式の朝、実家から息子がお父さんに送って欲しいと言っていると連絡が来た。
9時半に業者と支払いがあったが、第一優先順位であるので急遽送っていった。
桜の花びらが舞う中を息子と義母と送っていく。
お迎えも欲しいというのでまた義母と迎えに行った。

その時に去年の担任に話をしようと思っていた。
この担任は父上をやはり癌で亡くされていて、それは気にかけてくれた人であった。
ちょうど迎えにいって教室内での説明に義母に行ってもらったら向こうから来た。
挨拶をすると「調子はいかがですか」「土曜日になくなりましてね」
みるみる涙がでてくる。ありがたい話である。赤の他人の子供を預かっているに過ぎないのに。
いろいろ話をしていると「安心してください、私の教室は隣ですので」と言ってくれた。
義母が教室から出てくると「一年生の先生やで」という。義母と元担任との話を交代すると新担任に、「父です。少し質問があるのですが」「なんでしょう」「土曜日に母親を亡くしましてね、手続きとかありますかね?」とぶちかますと血相変えて職員室も走り、園長を連れてきた。
一般的な挨拶をし、家に戻るとまた実家にいくという寂しかった。

翌日は入園式で在園児は休みである。
そうこうすると幼稚園から主任と元担任が弔問に訪れた。

主任は丁寧な挨拶、故人の思い出をしてから切り出した。
「通常は園だよりにのせるのですが、ご主人に伺ってからと思いまして」
「それは勘弁してください」
「懇談会でお話だけというのはよろしいですか」
「はい、クラスのお母さん達にもお見舞いやら心配やらしていただきましたのでそれはお願いします。」
「お焼香の申し出があった場合はいかがしましょう」
「昨日も何人かの方にお申し出いただきましたがお断りをしております。息子もよそのお母さん達が何人も来たらいささか辛いと思うのです」
「それはそうですね、わかりました。」

「お父さんも大変でしょうけどいろいろ園には行事があります。」
「はい、基本的には私が出るつもりです
「懇談会はあくまで伝達が主なので出席なさらなくても結構です。むしろ参観日、お誕生会、運動会、お遊戯会など来ていただけたらと思います」
「わかりました」

「息子さんはお母さんがなくなったのを理解しておりますか
「はい、間違いなく。きちんと説明しましたし見せましたから。」
「お葬式も?」
「ええ、立派に喪主を務めましたよ。位牌をもったり遺影をもったり、骨をはさんだりしましたからね。」
「えらいですね」
「はい、私の子供にしては上出来です」(大いに自慢!)

「なにせすぐに母の日ですからね、気が重いです。」
「私どもはお母さんのお顔を思い出して書いてみようねというつもりです。書かせないと余計寂しくなると思うんです。」
「わかりました、よろしくお願いします」

その後息子の園での生活ぶりと家での生活ぶりの情報交換をし、息子が先生の言う事を鵜呑みにしないことが判明する。
納得しないと絶対やらないとの事。納得させるにはきちんと説明しなければならない事など。

頭をかきながら、「子供に嘘はいわない、頭ごなしに怒らない、きちんと説明する」というのが基本方針であると説明、へんに納得されてしまいました(笑)

今日は最初は実家から行くつもりだったがやはり朝電話があり、送っていって欲しいとのこと。
一緒に出かけると、手をつないだり、大声で笑ったりする。
校門の前で主任が「おはよう〜」と声をかけると照れくさそうに笑った。
教室の前で元担任が「おはよう〜」というと私そっくりのしぐさでだまって片手を上げる

息子、そのポーズは10年早いぞ(爆)
お迎えもしてくれというのでとりあえず迎えにいく。新人の先生なので息子のクラスだけがなかなか出てこない。

家に帰って、義母と遊び、義母と一緒に風呂に入り、義母と寝ている。
あしたは3人でサンシャインにでもでかけてこよう。
そうして日曜日の午前中には義母も大阪に帰ってしまう。更に寂しくなるな。

子供が心配なのでもう少し休むことにした。
水曜日からの出社にしよう。そうすればきっと息子も落ち着くに違いない。

息子よ、君がいるから、君が笑うから私はこうしていられるのだ