春のカキ氷

金曜日の夕方から息子が熱を出した。風邪らしい。
ぐんぐん上がってくる熱に冷静に対処している自分が哀しい。
妻にしたのと同じように子供の額を冷やし、体を拭き、水やポカリを飲ませる。
うちの冷蔵庫は対病人仕様だからね（苦笑）

これで子供に何かあったらもう生きていく理由がないなぁ、なんて思ったり。
＃まだ猫はいるけど
息子に氷水を飲ませながら思い出す。

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妻は２月から禁食だった。水と氷とポカリだけだった。
家に帰ってくるようになって看護婦さんに他に食べさせてやるものはないですかと聞いてみた。
「カキ氷」ならOKとのこと。そりゃ、氷だもんね。そんな矢先容態は急変した。
水をほんの少しでもむせるようになって飲み薬さえ飲めなくなった。
なんとしても何かを食べさせたい。
息子とカキ氷シロップを探すのだが春にカキ氷のシロップはどこを探しても見つからなかった。
とうとう食材の卸に行ってメロンのシロップを買ってきた。業務用の１００食分のものだ。
さっそくジューサーでカキ氷にしてシロップをかけて妻にやる。ほんの少しとって息子にも食べさせた。
かすかに「うまい」と言った気がした。
妻には１００食分なんであと９９杯カキ氷たべろよと大声で言ったが結局それから８日間カキ氷を少しずつたべさせ続けた。

私はカキ氷は大嫌いだ、特に春には。
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日曜日にようやく熱は下がった。お昼にタラコスパゲティを作る。
動けるようになった子供に写真の前にお供えしてあげてねと頼む。

夜、お見舞いにもらっていていつか一緒に食べようと思っていたお米を炊いた。
妻の写真の前に供える。

ほら食べたがっていたおいしいごはんだよ。

子供がおいしそうに食べる。
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夜半子供が戻した。それから朝まで私の布団で一緒に寝ていた。今日は幼稚園はお休みにした。
一緒にいてやりたいんだけどなぁ・・・。
先ほど連絡したら朝鼻血をだしたとのこと。とりあえず熱もないし大丈夫そうとのこと。
家にいてやりたいなぁ。ホント、なんとかしてやりたいなぁ。