パンケーキとガンダムと(5)

実は入院前から子供を手術後に妻に合わせるタイミングをいつにするか悩んでいた。
姉が入院した時、甥はあの病院独特の雰囲気、そのベッドの上に横たわる姉をみて病室に入らず、結局退院するまで病院には絶対いかなかった。

大きな手術をする以上チューブだらけになることは予想していた。
そこで妻は『お母さんは手術をしたらザクちゃんになる』と言い出した。
『ザクみたいにホースをつけるの?』『そうだよ』

さすがに手術直後は無理だったが手術の週の日曜日に妻に会いにいった。
実家の面々は全員反対だったがどっちにしても病院に連れていけないと私も辛いし、息子も辛い。

病院では大きな声をだしちゃいけないよ・・・
病院では走ってはいけないんだよ・・・
あんまり長くいるとおかあさんもつかれちゃうからね、早めにかえろうね・・・・

などと小声で教えながら病室に入る。

『おかあさん、きたよ!』

妻は涙ぐんでいたと思う。しばらく息子と会話していると息子は妻のベッドまわりをしげしげと見て、

『おかあさん、ホースそれだけ?』

いやさすがに口にホースは・・ねぇ(^^;)

安心したのだろう。子供はしばらく落ち着いていた。

当時の生活は

05:30起床
洗濯
洗い物
掃除
ゴミだし
06:45息子起床
朝食
07:45自宅出発→実家へ車
08:15実家へ子供と車を預ける
08:30実家最寄駅へ
09:00出社
17:30退社
18:30実家→病院へ車
19:00病院着
20:00面会時間終了→実家へ
20:30実家着→私の夕食
21:15自宅着→猫にごはん→息子と風呂
22:00就寝

というものだった。
実際は22時に寝られず、23時近くに寝る事もしばしばあった。