真冬の思い出
#たまには楽しい話(?)でも書こう
私が大学生だったころ、2月のあたまに友人たち3人と一台の車で走りに出かけた。
いわゆる「走り屋」と称される者に近かった我々は、深夜冬の道志を凍結している場所をそーっとよけながら走っていた。
山中湖の湖畔の駐車場についたのは午前2時ぐらいだった。
3人で車からでて自動販売機でホットコーヒーを買って車に戻ろうとすると
私「あれ?」
1「どうした?」
私「ロックしてる。鍵開けて」
1「へんだな・・鍵がない」
2「あそこについてる!!」
指先を見るとハンドルの脇に鍵がぶら下がっている。
鍵の綴じ込みをしてしまったのだ!
スペアキーもない。実は三人ことのとき上着を着ていない。
全員ちょっとだからと車に置いてきてしまった。
寒い、寒すぎる。
JAFに電話をしたが、来てくれるのは2時間後という。
2月の山中湖に深夜2時から4時までじっとしているのは寒い。
車のボンネットをカイロ代わりにしていたが30分もたつと冷たくなってくるし、なにせ背中が寒い。
小銭はもっているのでホットを買って腹と背中を暖めるも15分ももたないし、足先が冷たい。
飲んだら出るし、そうなったらもっと寒い。
そうこうしている間に小銭もつき、3人で固まっているしかない。
3人で輪になって相手の背中を自分がさするというなんともわびしい行為でしのいでた。
雪山の遭難はもっとつらいんだろうなとかこのまま凍え死んだらなさけなさすぎるとか新聞の3面記事の見出しを考えてしのいでいた(情けない)
4時を過ぎたぐらいにJAFの人が来てくれたが我々には天使に見えた(誇張ではない)
以後、車をロックする場合は必ずドアに鍵でかけるようになった。
今はワイヤレスなので閉じこみする恐れもないのかもしれないが。